春の甲子園と呼ばれる選抜高等学校野球大会2020の出場校が発表されました。どの学校が甲子園に出場するのかが気になるかもしれません。春のセンバツ甲子園に出場する学校の一覧や『2020年甲子園 高校野球交流試合』対戦表と、その選出の仕組みについてについてご紹介します。
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◎春のセンバツ甲子園に出場する学校は?第92回選抜高校野球2020のチーム一覧
春の甲子園である第92回選抜高校野球2020には、32チームが出場します。発表された学校は以下の通りです。
地区 | 学校名 | 出場回数 |
北海道 | 白樺学園 | 春は初出場 |
東北 | 仙台育英(宮城) | 3年ぶり13回目 |
東北 | 鶴岡東(山形) | 41年ぶり2回目 |
関東 | 健大高崎(群馬) | 3年ぶり4回目 |
関東 | 山梨学院 | 2年連続4回目 |
関東 | 東海大相模(神奈川) | 2年ぶり11回目 |
関東 | 桐生第一(群馬) | 4年ぶり6回目 |
東京 | 国士館 | 2年連続10回目 |
関東・東京 | 花咲徳栄(埼玉) | 4年ぶり5回目 |
北信越 | 星稜(石川) | 3年連続14回目 |
北信越 | 日本航空石川 | 2年ぶり2回目 |
東海 | 中京大中京(愛知) | 10年ぶり31回目 |
東海 | 県岐阜商 | 5年ぶり29回目 |
東海 | 加藤学園(静岡) | 春夏通じて初出場 |
近畿 | 天理(奈良) | 5年ぶり24回目 |
近畿 | 大阪桐蔭 | 2年ぶり11回目 |
近畿 | 智辯学園(奈良) | 2年ぶり13回目 |
近畿 | 履正社(大阪) | 2年連続9回目 |
近畿 | 明石商(兵庫) | 2年連続3回目 |
近畿 | 智辯和歌山 | 3年連続14回目 |
中国 | 倉敷商業(岡山) | 8年ぶり4回目 |
中国 | 鳥取城北 | 8年ぶり2回目 |
四国 | 明徳義塾(高知) | 2年ぶり19回目 |
四国 | 尽誠学園(香川) | 18年ぶり7回目 |
中国・四国 | 広島新庄 | 6年ぶり2回目 |
九州 | 明豊(大分) | 2年連続4回目 |
九州 | 大分商業(大分) | 23年ぶり6回目 |
九州 | 創成館(長崎) | 2年ぶり4回目 |
九州 | 鹿児島城西 | 春夏通じて初出場 |
21世紀枠 | 磐城(福島) | 46年ぶり3回目 |
21世紀枠 | 平田(島根) | 春夏通じて初出場 |
21世紀枠 | 帯広農業(北海道) | 春は初出場 |
初出場を果たしたのは、白樺学園・帯広農・加藤学園・平田・鹿児島城西です。特に、
加藤学園・平田・鹿児島城西は春夏通して初めての甲子園
となりました。また、連続出場は7校で最大でも3年連続であることから、この大会に出続けるのがいかに難しいかが改めてうかがえます。


◎21世紀枠など、春のセンバツ甲子園の出場校はどのように選考されているのか?
春の甲子園である選抜高校野球大会は、予選が設けられていない
のが特徴です。夏の甲子園は、地方大会が行われてその優勝校が代表として出場します。しかし、春の甲子園である選抜高校野球大会は、選考委員会によってどの学校が出場にふさわしいかが判断されるのです。
そのため、地区ごとの数は設けられているものの、都道府県ごとの縛りは少ないと言えます。過去には、同じ都道府県から4校出場したこともありました。一方で、1校も選ばれない場合も十分に考えられます。春の選抜高校野球の出場校は、一般選考・明治神宮大会枠・21世紀枠の三種類から選出されます。それぞれについてご紹介しましょう。
●地域別の一般選考:28(記念大会は除く)
春の選抜高校野球は、前年の秋に開催される野球の大会での成績を基にして選ばれます。秋の大会は、都道府県ごとにトーナメント式で開催されます。そこでの上位2.3校が地区ごとの大会に出場するのです。地区と出場校数は以下のように分けられています。
北海道:北海道のみ、1校
東北:青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島、2校
関東:群馬・栃木・茨城・埼玉・神奈川・千葉・山梨、4校+A
東京:東京のみ、1校+A
北信越:新潟・富山・石川・福井・長野:2校
東海:静岡・岐阜・愛知・三重:2校
近畿:滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山:6校
中国:鳥取・島根・岡山・広島・山口:2校+B
四国:香川・徳島・愛媛・高知:2校+B
九州:福岡・佐賀・長崎・大分・熊本・宮崎・鹿児島・沖縄:4校
ただし、関東と東京のいずれかから(A)、中国と四国のいずれかから(B)、さらにもう一校が選ばれます。直接対決がないため比較は難しいところですが、負けた試合でのパフォーマンスも重要になってきます。
春の選抜高校野球は成績を基にして選ばれると記載しましたが、上位の学校がそのまま選ばれるとは限りません。たとえば、準優勝はしたけれども、決勝で大敗したチームを差し置いて、優勝チームに善戦したベスト4のチームが選ばれることもあるのです。成績が直結するとは限らない点がセンバツの面白さとも言えるでしょう。
●明治神宮野球大会枠:1
秋の地区大会で優勝を果たした学校は、毎年11月に明治神宮野球上で開催される大会に出場します。高校の部と大学の部がある明治神宮野球大会ですが、ここでの優勝校が所属している地区には、春のセンバツ甲子園で本来の数よりも一つ多い出場枠が与えられるのです。2019年の明治神宮野球大会では、中京大中京高校が優勝しました。それに伴い、第92回選抜高校野球2020では、東海地区の出場校数が2⇒3に変化しています。
●21世紀枠:3
2001年の第73回選抜高校野球大会から設けられた枠で、毎年3校を選出しています。主に、その学校ならではの地域的なハンデを克服したところや、学業面や他の活動での評価が高かった学校が選ばれます。一般選考から選ばれるのは難しいものの、それに近い成績を残し、甲子園でも十分に活躍に値すると判断された学校が選抜されるのです。過去に候補に出た学校は、いわゆる進学校と呼ばれる大学入試での成果を出しているところや、人口減少の中でも活動に取り組んでいる学校が多い印象を受けました。
選考方法は、まず都道府県ごとに推薦校を決め、その後上記で記した地区ごとに1校ずつを選びます。ここで出てきた9校の中から選抜高校野球大会に出場する学校が決まるのです。例年、東(北海道・東北・関東・東京・北信越・東海)から1校、西(近畿・中国・四国・九州)から1校を選び、残った7校から1校を選ぶ選出が行われていると考えられます。



◎選抜高校野球2020の代替試合、『2020年甲子園 高校野球交流試合』の組み合わせと結果
●春のセンバツの代わりに実現『2020年甲子園 高校野球交流試合』とは?ルールについて
出場校が発表され、春の訪れを告げるはずの選抜高校野球は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け、一旦は無観客試合も検討されましたが、結局中止になってしまいました。史上初のセンバツ中止を受け、出場校に甲子園で試合の機会を、と代わりに提案されたのが「2020年甲子園 高校野球交流試合」です。ここまでご紹介してきた選抜高校野球大会出場予定の32校が、1試合ずつ甲子園で試合をします。日程は、前半が8月10日~12日・後半が8月15日~8月17日です。
この2020年甲子園高校野球交流試合では、様々な特別ルールが適用される予定です。まず、本来の高校野球は、2018年度より延長13回からタイブレーク方式(無死1.2塁から始めて得点しやすくしたもの)が適用されていますが、今回の交流試合ではタイブレークでの試合決着以外に9回同点での引き分けも検討されています。また、より多くの選手を出場できるようにする目的から、ベンチ入りが通常の18人から2人増えて20人になる見込みです。宿泊を原則2泊とし、その費用を主催者の日本高野連が負担するなど、感染予防も行った状態で開催へとこぎつけました。
●『2020年甲子園 高校野球交流試合』の組み合わせ抽選結果
8月10日(月・祝)
第一試合:大分商(大分)ー 花咲徳栄(埼玉)
第二試合:明徳義塾(高知)ー 鳥取城北(鳥取)
8月11日(火)
第一試合:天理(奈良)ー 広島新庄(広島)
第二試合:創成館(長崎)ー 平田(島根)
第三試合:明豊(大分)ー 県岐阜商(岐阜)
8月12日(水)
第一試合:智弁学園(奈良)ー 中京大中京(愛知)
第二試合:鹿児島城西(鹿児島)ー 加藤学園(静岡)
8月15日(土)
第一試合:履正社(大阪)ー 星稜(石川)
第二試合:磐城(福島)ー 国士舘(東京)
第三試合:仙台育英(宮城)ー 倉敷商(岡山)
8月16日(日)
第一試合:明石商(兵庫)ー 桐生一(群馬)
第二試合:帯広農(北海道)ー 高崎健康福祉大高崎(群馬)
第三試合:鶴岡東(山形)ー 日本航空石川(石川)
8月17日(月)
第一試合:大阪桐蔭(大阪)ー 東海大相模(神奈川)
第二試合:智弁和歌山(和歌山)ー 尽誠学園(香川)
第三試合:白樺学園(北海道)ー 山梨学院(山梨)
●選抜高校野球2020の代替試合、『2020年甲子園 高校野球交流試合』の結果
8月10日(月・祝)
第一試合:大分商(大分)1ー3 花咲徳栄(埼玉)
第二試合:明徳義塾(高知)6xー5 鳥取城北(鳥取)
8月11日(火)
第一試合:天理(奈良)2ー4 広島新庄(広島)
第二試合:創成館(長崎)4ー0 平田(島根)
第三試合:明豊(大分)4ー2 県岐阜商(岐阜)
8月12日(水)
第一試合:智弁学園(奈良)3ー4x 中京大中京(愛知)
【延長10回タイブレーク】
中京大中京は秋・明治神宮大会・夏を含め公式戦無敗で終える
第二試合:鹿児島城西(鹿児島)1ー3 加藤学園(静岡)
加藤学園は甲子園初勝利
8月15日(土)
第一試合:履正社(大阪)10ー1 星稜(石川)
2019年の夏の甲子園の決勝戦と同一カードはまたも履正社に軍配
履正社は夏無敗で終える
第二試合:磐城(福島)3ー4 国士舘(東京)
東京勢は福島勢に初勝利
第三試合:仙台育英(宮城)1ー6 倉敷商(岡山)
8月16日(日)
第一試合:明石商(兵庫)3ー2 桐生一(群馬)
第二試合:帯広農(北海道)4ー1 高崎健康福祉大高崎(群馬)
帯広農業は甲子園初勝利
21世紀枠の学校が地域別の一般選考に勝利したのは2015年の松山東以来
第三試合:鶴岡東(山形)ー 日本航空石川(石川)
8月17日(月)
第一試合:大阪桐蔭(大阪)ー 東海大相模(神奈川)
第二試合:智弁和歌山(和歌山)ー 尽誠学園(香川)
第三試合:白樺学園(北海道)ー 山梨学院(山梨)
◎まとめ
今回は、春の甲子園である第92回選抜高校野球2020に出場する32校と、その選出方法についてご紹介しました。春のセンバツは、地区大会の成績を兼ねて選出されるのが特徴で、明治神宮大会枠や21世紀枠などのユニークな選ばれ方もあります。2020年甲子園高校野球交流試合に出場するチームの全力のプレーに声援を送りましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。
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