こんにちは、Curlpingです。

みなさんにとって人生が変わった瞬間は何でしたか?

今日は、私にとっての瞬間を小説にしました。小説とはいってもノンフィクションです。




◎『猫の声が聞こえる』

ある日曜日のこと。

受験を控えていた私は、その日もまた模擬試験を受けるために学校へ出かけていたのだ。

帰宅した私に母親が声をかけてきた。

「今日裏で猫を見て…」


聞くところ、昼間に家に戻ると、猫の鳴き声がしたのだという。

見に行くと、二匹のかなり小さい猫が草むらに捨てられていた。

近づくと、近寄ってきて脚をのぼろうとしていて遊んだらしい。


でも、飼うという選択肢は全くなかった。

世話が大変なのもわかっていたし、何よりも私が猫の毛のアレルギーだったのだ。



私は天性の猫好き、でもアレルギーの診断を受けていた。

幼少期、毎週のように週末になると喘息に悩まされていた。

中学受験のストレスかとも思われていたが、猫のいる母親の実家で泊まるのを止めるとおさまったのだ。

アレルギーの診断は間違いではなかった。

好きなのに、なぜなのだろう…



心を拒絶する身体。



それ以降、猫には好きでもなかなか近づけず、ましてや飼うということは考えられなかった。



しかし、そのうちに雨が強くなってきた。

夕食のときも、私はその猫の話が頭から離れなかった。

結局、見に行くことにしたのだ。

傘と懐中電灯を持って。



昼間に見つけたというところから探し始めた。

10分ほど経っていただろうか、茂みに猫の影が映った。

生まれてからそれほど長くもないことはすぐにわかった。

自力で食い繋ぐのは難しいだろう。でも…




「どうする?」

そう訊かれた私は迷いなく答えていた。

「連れて帰る。」と。



見つけた猫を連れて家に戻り、濡れた身体を拭いて、近くにあったパンを与えた。


でも、昼の時点ではもう一匹いたらしい。

私はまたすぐ、探しに出かけた。




雨が降り続ける中で、

ふと耳を澄ますと…かすかに猫の声が聞こえるのだ。

近隣の施設も閉まってあたりは暗く何も見えない。

でも、どこからか猫の声が聞こえる、それだけを頼りにして近づいていった。



…あ、いた!

先程の猫を見つけた場所のすぐ近くにもう一匹が。

一緒にいた猫がいなくなって、呼んでいたのかもしれない。

見つけたときには既に弱っていて、土手を降りる際に地面に置いても横たわっていて動かなかった。

梅雨の時期らしい雨に打たれ続けて、体力を消耗していたのだろう。



さすがに室内に入れるしかない。

まずはお湯を使って身体をとにかく温めた。

そして、プラスチックボックスにそのあたりにある新聞紙と毛布をかき集めて、急造のすみかに。

とにかく少しでも体力の消耗を避けようと必死だった。




翌朝…

良かった。生きている。

両方とも前日よりも幾分落ち着いたようだ。



しかし、これまで猫は家族として迎えたことがなかった。

どんな感じで世話をすれば良いのだろう。

手のひらと同じくらいの大きさの子猫。食事はできるのかな。

そして、私の身体に問題はないのだろうか。



でも、心配ごとが多くあるものの、何とか救うことができた命。

どうなるかはわからないが、とにかく育てていきたい。




◎あとがき

今回は、私にとって人生が変わった瞬間を、当時記した作文を思い出しながら書き綴りました。

幸いにも私の喘息をはじめとするアレルギー反応は起こることなく、今日を迎えています。

出逢いから今日で7年です。色々ありましたが、こうして記念日を迎えられたことに感謝します。

最後までお読みいただきありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です