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選挙ではインターネット投票をなぜしない?問題点やwebを使った投票や選挙活動の注意点

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選挙の際には、ネットで投票できればと思ったことがあるかもしれません。衆議院選挙や参議院選挙などは定期的に行われますから、webを使って投票や選挙での活動などができると便利ですよね。選挙でのネット投票が2021年時点で実現していない理由も気になることでしょう。今回は、インターネットを使った選挙活動の注意点や投票に関する現状をご紹介します。



◎参議院選挙や衆議院選挙でのインターネット投票のメリットで考えられること



●わざわざ選挙当日に投票所に行く必要がない


インターネットを使って選挙の投票をすることの最大のメリットは、場所の制約がないことです。現状は、参議院選挙や衆議院選挙などにネット投票の制度はなく、指定された投票所に出かける必要があります。住民票が実家にあった場合に下宿先などから投票できる制度の不在者投票も設けられていますが、事前の手続きが必要な上、全ての事例で認められているわけでもありません。インターネット投票が衆議院選挙などで実現すると、わざわざ選挙当日に投票所に行く必要がなくなります。「行くのが面倒だから投票しない」層も気軽に参加できる点で投票率の改善が期待できるでしょう。


●時間を選ばずに投票できる


現在は、投票日以外でも投票できる期日前投票の制度がありますが、ネットではできないため時間の制約はもちろんあり、地域によっては夕方早くに終了するところも存在します。自分の好きなタイミングでネットを繋ぎ一票を投じることができれば、特定の時間に縛られて動く必要がありません。24時間ではないとしても、ネット上での管理によって夜遅くまで受け付けられる可能性が高まります。


●選挙をネット投票にすると感染症対策につながる


2020年以降は、多くの人が集まる場所での感染症対策も課題になっています。特に、選挙の投票所は、入ってから出るまでがせいぜい10分程度とはいえ、何百人が1日で出入りする室内での実施です。また、筆記用具は消毒ができたとしても、投票用紙に記入する台や土足ではない会場であればスリッパなども共用します。接触のリスクを限りなく減らせるのがネットを使う大きなメリットです。会議などもオンライン化が進むなど、接触を防ぐ点でもwebを利用する利点が強まっています。



◎選挙のネット投票はなぜしないのか、考えられる問題点


以上のようなメリットがインターネット投票には挙げられるものの、未だ衆議院選挙・参議院選挙をはじめとする日本の選挙では実現していません。 ネット投票はなぜしないのかは、それよりも大きな問題点を抱えていることが大きく3つ挙げられます。


●投票での匿名性がネットでは担保できない可能性


一つ目は、匿名性が担保できない点です。現行の選挙では、有権者が事前に選挙管理委員会から送付されたはがきを持って特定の場所に訪れ、照合ののち用紙が配られてそこに記入します。誰が来たかはわかりますが、投票用紙をもらってから入れるまでは完全に有権者以外は見ていない状況のため、その人がどの候補者に一票を投じたかはわからない匿名性が担保されているのです。一方で、ネット投票の場合には、重複を避けるためにマイナンバーカードなどを使って確認が行われますが、データを紐付けられる点で誰がどの候補者に投じたかがわかってしまう可能性があります。選挙で重要な匿名性が保証されない状態で、自由な意思で投票するのは難しいのが大きな問題点です。


●ネット投票により公正な選挙が侵害されるおそれ(不正投票)


二つ目は、なりすましや投票の強要のおそれがある点です。自宅でできるのは便利に思うかもしれませんが、他人が介入しうる点が懸念されています。たとえば、何らかの事情がありご自身で投票行動ができない方に対して、特定の候補者に入れるように唆すことが可能です。また、本人の意思を確認せずにマイナンバーカードを使って同居している家族が複数回行使する不正も考えられます。家庭外でも、投票しない人に対して金銭を授受してカード番号を聞き出し、代わりに票をもらうビジネスが成り立つも不可能ではない点も懸念材料です。ネットならではの裏取引が起こりうることが、現状のシステムでは払拭するのが難しいのもなかなか進展しない要因でしょう。


●システムトラブルで投票に参加できない可能性も


三つ目は、システムそのものの問題です。現在の紙を使った方法であれば、投票箱に入れてしまえば紛失することはほぼ考えられません。しかし、ネットはデータでの管理であり、サーバーのダウンやウイルスの侵入などによって操作されたり消えたりすることも起こりえます。また、システムの不具合によって思った時間に投票ができないことも考えられ、復旧に手間取ると致命的な状況になりうるのは、公正性が求められる状況では厳しい課題点です。



◎電子投票・インターネット投票での選挙、海外ではどのような現状なのか?


選挙でのネット投票が海外で行われているのかが気になるかもしれません。インターネット投票での選挙、海外ではどのような現状なのかを2つご紹介します。


●電子投票の先駆けのエストニア、インターネット投票の投票率の変化


世界に先駆けて、電子投票の制度を設けていたのが、エストニアです。あらゆる行政の仕組みをオンラインで行うための施策の一つとして、2005年に地方議会選挙で、2007年からは国政選挙でも導入されました。総投票数における電子投票数の割合は回を重ねるほど増加傾向にあり、導入当時は5%ほどでしたが、15年ほどで全体の4割強(43.8%)を占めるようになっています。エストニアのインターネット投票で、webを使ってできるのは、期日前投票です。PC端末でインターネットに接続し、選挙のサイトからネット投票を申請して、国民のIDカードと連携している数字などを入力することで、選挙区の候補者が出てくるようになっています。また、他者から脅迫を受けるなど本人の意思とは異なる候補者に投じた場合の対策として、期間内であれば投票先を変更して上書きできる点もオフラインにはない大きな特徴です。


こちらには、エストニアにおけるインターネット投票の推移と投票数に対するwebの割合をまとめました。電子投票は、地方選挙・議会選挙・欧州議会選挙の三種類で導入されており、投票率の影響を受けているため電子投票数が常に増えているわけではありませんが、選挙ごとにみると割合が増加し続けていることがわかります。また、全有権者でみても2割近くになってきており、再投票をしている割合も数パーセントとやり直しの制度も効果があるようです。



●インターネット投票:アメリカでは?


アメリカでは、これまで国外の特定地域からのインターネット投票が認められたことがありましが、国内でもシアトル市の選挙などでスマートフォンやPCなどからweb投票が導入されつつあります。名前・生年月日などを入力して身元の確認を行うことで、投票が可能です。安全性の懸念はありますが、スマホの普及率や手軽さを踏まえると、導入が期待されます。




◎インターネットで投票呼びかけなど、選挙活動の注意点(衆院選・参院選)


投票こそできないものの、インターネットを使った選挙活動は近年盛んになってきています。SNSなどのツールも多く使用されていますが、ルールがいくつかあるのをご存じでしょうか。知らないうちに違反していることを避けるために、ネットでの選挙運動で最低限押さえておきたい三つの注意点をご紹介しましょう。


●投票日の選挙活動はNG


webを使った選挙運動ができる期間は、公示日・告示日から投票日の前日までです。特に、投票日当日に「●●候補に一票を!」などの特定の候補者や政党を応援する投稿を行うあるいは過去に投稿された内容を拡散すると公職選挙法違反になりますので、SNSやウェブサイトを更新する際には注意しましょう。ただし、これまで投稿した内容を削除する必要はありませんし、候補者や政党名をプロフィールを含めて挙げていなければ「投票に行ってきました。みなさんもぜひ!」などと投稿するのは選挙運動にはあたりません。投票日当日の落選運動は、選挙運動とは同義ではないものの、特に一騎討ちの場合には間接的に候補者支援になりますので要注意です。


●18歳未満は選挙運動の権利もない?


選挙権は、「投票できる権利」だと思われがちですが、これには選挙運動も含まれています。つまり、18歳に満たない場合にはそもそも選挙運動すら禁止されているのです。もちろん、インターネットを利用した活動も当てはまりますので、注意しましょう。最近では、18歳未満でもInstagram・LINE・TwitterなどのSNSを利用されていることもあるかもしれません。特定の候補者の応援などの拡散や他者への依頼も避けるようにしましょう。


●インターネットを使った選挙運動や投票呼びかけで禁止されているのは?


ネットを利用したでの選挙は、誹謗中傷など通常の社会でも禁じられているもの以外の多くを行えます。しかし、メールアドレスを使った文書の送信は注意が必要です。政党および候補者が特定の支持者に政策内容を送付することは認められているものの、一般的な有権者や候補者以外の第三者送ることができません。転送も禁止ですから、拡散してほしいと候補者から頼まれても引き受けないようにしましょう。



◎まとめ


今回は、選挙のネット投票が2021年時点でも実現していない理由と、インターネットを使った選挙関連の活動での注意点をご紹介しました。問題点としては、匿名性やセキュリティなどの課題が挙げられます。今後どのように進展するかは不明ですが、活動自体は現在でもルールがありますので、しっかりと押さえておきましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。


引用文献
エストニアの各選挙での投票数と電子投票数に関する統計
https://www.valimised.ee/en/archive/statistics-about-internet-voting-estonia

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