2023年のセリーグやパリーグの順位がどう推移しているのかが気になるかもしれません。プロ野球の勝敗表や今後の公式戦の試合予定も含め、貯金やゲーム差の推移は2023のペナントレースを楽しむ上でも押さえておきたいですよね。今回は、プロ野球のペナントレースに関するグラフとして、パリーグとセリーグそれぞれの順位変動・貯金推移・ゲーム差推移(2023)を、違いを比較しながらご紹介します。【随時更新】
プロ野球の順位の推移(2023)は、勝率の高さによって決まります。勝率の計算方法は、[(勝った試合の数)÷(勝った試合の数+負けた試合の数)]です。全勝の場合は分母と分子が同じで1・全敗の場合は0のため、勝率は0から1の間の数値になります。
また、引き分けの試合数が少なからず影響するのも特徴です。たとえば、1勝0敗143分けのチームは勝率が1.000[1÷ (1+0) ]・118勝1敗24分けのチームは勝率が0.992[118÷ (118+1) ]など、勝った試合の数が少なくても順位は上になるかもしれません。また、プロ野球の順位推移2022[詳細]のように、勝率が全く同じ場合には直接対決の成績で順位が確定します。
セリーグとパリーグの順位変動のうち2023の推移をそれぞれみていきましょう。ペナントレースが進むにつれてグラフを随時更新していきます。
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プロ野球の順位推移(2022)はこちらです。阪神は借金を独占した状態で推移するなど大きく苦戦しましたが、順位推移を見ると2022の5月以降に巻き返し、グラフでも6月以降は他チームと入れ替わるなどして最終的に勝率5割に復帰したこともありました。
2021ペナントレース推移はこちら
セリーグ順位推移[2023]は以下の通りです。
セリーグのグラフは2023シーズンは比較的に多くのチームが交差つまり順位が入れ替わっている状態が見られます。これは2022とは異なり3タテ(同一チームとの3連戦で片方が3連勝すること)が23カード中6カードにとどまったためです。ちなみに2022年は4月下旬までの18カードのうち半数の9で同一カード3連勝が見受けられました。
セ・リーグの順位推移でまず大きな動きがあったのが5月中旬です。直接対決で3連勝した阪神がDeNAにかわって首位になりました。この期間は15勝3敗で勝率0.833、6カードのうち4カードで3タテ(同一カードで同じチームが全勝すること)をするという驚異の連勝で勝率も一気に7割近くに上昇しています。
首位の阪神は、交流戦では7勝10敗1分けでしたが、それでも勝率6割以上を維持しました。勝ち越した巨人・交流戦2023で初優勝したDeNAなど4チームが勝率5割以上になっています。
交流戦明けの3連戦でDeNAが阪神に3連勝したことで、DeNAが再び首位になりました。横浜スタジアムでの阪神戦の連勝記録は13まで伸び球団最長記録を更新です。しかし、その直後の広島戦で3連敗したため、以降は再び阪神が首位になっています。オールスターまでの対戦で広島はDeNAに6連勝しており、2位に浮上する要因でした。
阪神は8月に入ると、横浜スタジアムでの連敗を13で止めたのを皮切りに3タテに成功し、さらに巨人・ヤクルトにも3連勝するなど、8月中旬までに11勝1敗と再び加速して勝率も一気に6割2分になりました。
パリーグ順位推移[2023]は以下の通りです。
パリーグの順位は2023もシーズン序盤から激しく推移しました。例年通りソフトバンクがスタートダッシュに成功するも、開幕カードで3タテしたロッテに3連敗して首位を譲ります。スロースターターの傾向があるオリックスは4月中旬から10カード連続負け越しなしの安定した戦いを見せ、5月に首位に浮上しました。
5月のGW明けからはロッテが再び加速し、交流戦まで10勝2敗と勝率を6割台にしています。5月中旬に首位攻防戦でオリックスに2勝1分けと無敗だったこともあり、首位に返り咲きました。これ以降、オリックス・ロッテ・ソフトバンクの3チームと、楽天・西武・日本ハムの3チームがはっきり分かれて推移するようになります。
ロッテは交流戦で7勝9敗と若干負け越し、その一方でソフトバンクとオリックスは11勝7敗と確実に勝率を伸ばし、3チームが接近しました。
交流戦明け直後の首位攻防戦で勝ち越したソフトバンクが首位になったかと思いきや、オリックスも食らいつく展開です。潮目が変わったのが7月以降で、ソフトバンクが楽天・西武・オリックス・ロッテに相次いで3連敗したことと、同時期に日本ハムもロッテ・楽天・西武・オリックスに連敗したことで、パリーグ各チームの順位変動と勝率の推移が一気に激しくなりました。
パリーグでは、3チームずつで固まっていたところから一転し、6チームが満遍なく離れている、順位変動がない期間が続いています。
プロ野球における貯金とは、[(勝った試合数)ー(負けた試合数)]のことです。敗戦の方が多い場合には数字がマイナスになり、「借金」とも呼ばれます。
プロ野球の貯金推移が順位推移と必ずしも同じになるとは限りません。たとえば、8勝4敗のチームと7勝3敗2分けのチームを比較すると、貯金は同じ4ですが、勝率は前者が0.667・後者が0.700と別になります。どの程度勝ち数が多いのかを見る指標にはなりますが、順位決定とは一致しない点がポイントです。2023シーズンの貯金推移がどのようになっているか、グラフをセリーグとパリーグそれぞれで見ていきましょう。
セリーグの貯金推移[2023]は以下の通りです。
4月下旬に6連勝したDeNAが、貯金を一気に伸ばしたのが目立っています。
2023年もセリーグではそれぞれのチームが様々な地方球場で試合を開催しています。巨人が最も幅広く佐賀・長崎・秋田・盛岡など、中日は東海地方の豊橋や岐阜で、ヤクルトは松山・DeNAは新潟・阪神は倉敷での試合が組まれました。
セリーグ順位変動ではわかりづらいですが、貯金推移を見ると2023年の交流戦は6チームとも大幅に勝ち越し・負け越しがあったわけではないことがよくわかります。優勝したDeNAと負け数の方が多かった阪神の差がここで詰まり、交流戦でも苦戦した中日とヤクルトは他4チームから貯金でも隔たりが生じました。
5月下旬に阪神が貯金17を記録しますが、それ以降は2か月ほど更新がありません。一方で、貯金のマイナス(借金)もこの期間は-17を更新したチームがなく、6.7月のセリーグは比較的に落ち着いた貯金推移となりました。
8月に入ってからの阪神の連勝により、貯金グラフでも一気に差が広がっているのがわかります。
パリーグの貯金推移のグラフ[2023]は以下の通りです。
2023年のパリーグは試合会場がこれまでとは大きく変わっているのが特徴です。地方球場での開催が増え、ソフトバンクは宮崎・鹿児島・北九州・熊本・長崎など九州地方の各地で、楽天は盛岡・山形など東北地方を中心に、西武は那覇での2連戦があります。また、ソフトバンク・楽天・西武と東京ドームで本拠地ではない3チームの主催試合があるのも珍しいことでしょう。一方で、これまで釧路や帯広といった北海道の地方球場や東京ドームで試合があった日本ハムは、今年から新本拠地になっているエスコンフィールド北海道のみでの開催です。
4月下旬から5月下旬の交流戦前にかけて、西武は11カード連続で勝ち越し(連戦の結果貯金がプラスになったこと)がなく、パリーグの貯金推移の+とマイナスで3チームずつが分かれる一因となっています。
オリックスとソフトバンクは優勝こそ逃がすものの、得意の交流戦で貯金を4増やし(11勝7敗)、確実に固めた印象です。一方で、西武が6勝12敗とほぼ1人負け状態で、一気に貯金を減らす(借金を増やす)展開となりました。
パリーグの貯金推移で大きな変動が見られたのが7月です。最も高かったソフトバンクが7月7日から7月24日にかけて12連敗で貯金が15⇒3に、日本ハムも7月5日から7月25日にかけて13連敗で貯金が-5⇒-18に大きく減りました。同一リーグの2チームが同じ時期に10連敗以上したのはプロ野球史上初のことです。下位の楽天が8連勝、西武も8連敗のあとに7連勝と貯金がかなり激しく変動しました。
勝率と同様に、貯金も6チームがほぼ均等に離れている状態が続いています。
プロ野球におけるゲーム差は、([上位のチームの貯金]-[下位のチームの貯金])÷2、と各チームの貯金で計算することができます。ペナントレースでは、雨天中止などによって試合数に違いがあったり、引き分けがあったりする関係で0.5単位で変動するのが特徴です。
プロ野球のゲーム差の推移は、貯金数を基に計算するため貯金推移とは連動しますが、順位の変動には必ずしも一致しません。先ほどの例で考えると、この2チームのゲーム差は、(1-117)/2=-58.0となります。(貯金1のチームの方が順位が上なのでこの計算です)。
セリーグのゲーム差推移[2023]は以下の通りになりました。特に阪神が連勝していた5月中旬~交流戦前と、8月初旬以降はゲーム差が一気に開いているのがよくわかります。
パリーグのゲーム差の推移[2023]は以下の通りです。こちらは概ね順位変動や貯金グラフと似たような特徴があり、5月以降は上位3チーム(Aクラス)と下位3チーム(Bクラス)内でのかたまりで推移し、7月中旬以降に6チームがほぼ均等な位置になっています。
今回は、2023のセリーグやパリーグの順位推移・貯金推移・ゲーム差推移をご紹介しました。特に順位の変動は計算方法が異なり、貯金やゲーム差とは違う結果になる場合がある点がポイントです。2023年度シーズンも日本シリーズまで無事に開催されることを願っています。最後までお読みいただきありがとうございました。