「相似な図形とは何だろう?」中学生の数学である相似がどのようなものなのかが気になるかもしれません。相似な三角形の性質がわかると、理解しやすくなりそうですよね。相似な図形は比か角に注目するのがポイントであり、相似証明は2組の辺の比など3つの条件のいずれかを導くのが重要です。今回は、三角形の相似条件の証明の書き方や相似な図形を見つけるコツなどについてご紹介します。
相似な図形とは、形が同じで大きさが異なる図形のことを指します。相似な三角形の性質としては、対応する辺の比が一定で、角度の大きさがすべて等しいことも特徴です。相似条件は四角形や三角形の対応する辺の長さを比にして求めるのが基本で、比率を使うことで図形の大きさや縮尺を簡単に把握できます。たとえば、辺の長さの比が3:4:5と6:8:10であれば2倍した相似関係だと判断できるでしょう。相似な図形を見つけるコツは、角度や辺の比を意識しながら図形を観察することです。中学生の数学において相似には具体的にどのような図形があるのか、次の項目で詳しく見ていきましょう。
相似条件として、中学で出てくる名前は大きく分けて3つあります。そもそも相似条件はなぜ成立するのかというと、対応する角の大きさが等しいことや、辺の比が一定になることによって、形は同じでも大きさが変わるだけの関係が保証されるためです。相似条件でまずは二角相当を押さえておきましょう。相似な三角形の性質として対応する角度の大きさがすべて等しいことに触れましたが、2つの角が等しい場合は3つ目も等しいため該当します。2つ目が、三辺比相等です。これは、先ほど挙げた3:4:5と6:8:10など、三角形の対応する辺の長さの比がすべて等しい場合に成り立ちます。3つ目が、二辺比夾角相等です。夾角とは、間の角のことを指し、2つの辺の比とその間にある角が等しいことを意味します。こういった三角形の相似条件はどう証明できるのか、次の項目でみていきましょう。
相似の証明は入試問題にもなる応用の難問もあり、難しいと感じることもあるかもしれません。相似の証明の書き方はまず、どの三角形が対応しているかをはっきりさせ、対応する頂点を正しい順序で書き並べることから始めます。次に、対応する辺の比や角度の等しさを順に示し、最後に「よって△—∽△—」と結論を書くのが基本です。相似の証明をさきほど挙げたパターンで作成してみましょう。
例:相似証明、2組の辺の比が等しいことから示す
△ABCと△DEFにおいてAB:DE=BC:EFであり∠B=∠E
これらから2組の辺の比が等しくその間の角が等しいため、二辺比夾角相等により△ABC∽△DEF
相似の証明のコツは、図に記号や色を使って対応する辺や角を明確にし、比や角度の情報を見やすくすることです。また、合同条件と混同しないように注意しましょう。相似では辺の長さそのものではなく比を扱う点が大きな違いです。こうした手順とポイントを押さえることで、相似の証明は非常にわかりやすくなります。
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相似の利用は日常生活でもさまざまな場面で見られます。相似の利用の例としてよく挙げられるのが、縮図や建物の模型作りです。
例1:相似の利用によって池に入らずに向こう岸までの距離を測る
1.岸から木が一直線に見える位置に2本の杭を立てる
2.岸に沿って基準線を引き、その長さを測る
3.杭と木を結ぶ線と岸の基準線でできる小さな三角形と、木と池の両岸でできる大きな三角形が相似になるため、比を使って距離を計算できる
例2:相似の利用でアイスクリームの分量を比較
お店で売っているアイスのコーン部分は円すい形です。SサイズとLサイズがあるとしましょう。拡大しただけの相似の関係ですから、高さや直径の比を三乗すると体積比(分量の比までも)がわかります。高さの比が3:4なら分量の比は27:64です。
相似の利用の解き方のコツは、まず同じ形で大きさが違う部分を探し、対応する頂点や辺に記号をつけます。あとは先ほどの証明と同様に、頂点・辺の順序をそろえて比を求め、長さ比から面積比・体積比へと展開しましょう。こうした手順を押さえれば、相似の利用によって日常生活のさまざまな場面で応用できます。
相似条件、四角形では主に2つあります。1つ目は、対応する角がすべて等しいことです。三角形と同じように、四角形でも対応する角の大きさがすべて一致していれば、形は同じで大きさが異なる図形となります。2つ目は、対応する辺の比が一定であることです。四角形では辺の数が増えるため比の確認が少し複雑になりますが、長方形や台形などで考えると理解しやすくなります。四角形の相似条件は中学の学習では触れる機会は少ないですが、図形問題や応用問題で役立つかもしれません。
今回は、中学生の数学である相似がどのようなものかについてご紹介しました。相似条件として中学で出てくる名前は、2角相当・3辺比相当・2辺比夾角相等があり、相似証明は2組の辺の比など3つの条件のいずれかを導くのが重要です。相似の利用としては、縮図・池・アイスクリームなど日常生活につながるものも多いため、探してみるとより親近感がわくでしょう。最後までお読みいただきありがとうございました。