指定感染症のコロナウイルスが拡がり見せ、学校などでもインフルエンザが流行すると不安な方も多いと思います。感染症は、感染症予防法で定められていますが、教育現場での学校保健安全法の感染症の分類とは少し違うため、どう該当するのかが気になるかもしれません。今回は、学校保健安全法の感染症の分類や出席停止の最新の施行規則、感染症予防法との関連性を、指定感染症のコロナウイルスやインフルエンザなども含めご紹介します。
学校保健安全法は、1958年より学校現場での児童・生徒や教職員の健康を促すための法律です。当時は学校保健法と呼ばれていましたが、2009年の改正より学校保健安全法という用語も用いられています。感染症に関して書かれているのは、最新の施行規則では学校保健安全法の第18条であり、感染症に関しての出席停止などは第19条です。また、学校保健安全法第20条には、出席停止の報告事項が定められており、対象の学校や出席停止の期間と人数、その理由を記載することが求められています。
学校保健安全法でも感染症の分類がなされていますが、感染症予防法とは少し枠組みが違います。学校保健安全法の施行規則では、第18条に感染症の分類が定義されており、第一種・第二種・第三種と分けられるのが特徴です。それぞれどのような感染症が該当しているのかをみていきましょう。
感染力と罹患した(病気にかかった)場合の重篤性(生命への危険が及ぶ度合い)などに基づき、総合的にリスクが高いと考えられる感染症が該当します。具体的な種類は、感染症予防法で1類感染症・2種感染症のうち結核以外のもので、エボラ出血熱・ペスト・マールブルク病・ラッサ熱・ジフテリア・重症急性呼吸器症候群(SARS)・中東呼吸器症候群(MERS)・鳥インフルエンザのH5N1型などです。また、新型インフルエンザなどの感染症・指定感染症・新感染症は、規定にかかわらず第一種の感染症とみなされます。そのため、指定感染症の新型コロナウイルス感染症(covid-19)はこちらに含まれるのです。
飛沫感染または空気感染があり、集団生活の現場で流行するおそれの大きい感染症が該当します。具体的な種類は、鳥を除くインフルエンザ・麻疹・風疹・水痘・結核・流行性耳下腺炎・百日咳です。普段の学校現場では予防接種を受けるものが多くみられますよね。
飛沫感染はないが、集団生活の現場で流行するおそれのある感染症が該当します。具体的な種類は、コレラ・腸管出血性大腸菌感染症・チフス・細菌性赤痢・流行性角結膜炎などです。
学校保健安全法では、施行規則での第19条に記載されています。上記の感染症の分類によってご紹介しましょう。
第一種に該当する感染症に罹患した場合には、種類にかかわらず治癒するまで出席停止となります。また、罹患していなくても、同居人に感染者がいる場合・発生地域から通学する場合・発生した旅行地に訪れた場合は、学校医の意見を聞いて出席停止の措置が取られるかもしれません。
冬によく流行する感染症のインフルエンザは、発症後5日を経過しかつ解熱した後2日(幼児は3日)が経つまでとされています。また、麻疹は解熱した後三日を経過するまで、風疹や水痘に完成は発疹が消失するまでです。このように、感染症の種類によって基準や出席停止期間が異なります。
第一種や第二種よりは出席停止の規則は厳しくありませんが、症状により医師から感染しないと認められるまでです。
それぞれの感染症は、感染症予防法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、感染症法とも呼ばれる)によって、5種類に分類されています。たとえば、1類感染症は、きわめてリスクが高いものとされており、マールブルク病・南米出血熱などが一例です。これらは、学校保健安全法ではいずれも第一種に該当します。また、比較的にリスクが高いとされている2類感染症は、結核のみが学校保健法では第二種に、それ以外は第一種です。このように、感染症予防法と学校保健安全法では、若干の分類の違いが見受けられます。
感染症予防法に関しては、こちらの記事で詳しく触れております。
今回は、学校保健安全法の感染症の分類や出席停止の最新の施行規則、感染症予防法との関連性を、指定感染症のコロナウイルスやインフルエンザなども含めご紹介しました。学校保健安全法の施行規則では、第18条に感染症の分類が定義され、3種類に分かれています。指定感染症のコロナウイルスやインフルエンザなどは出席停止の措置も厳しく設定されている点を押さえておきましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。