エクセルでの作業では、参照先と参照元とは何かが気になったかもしれません。どっちがどっちなのか意味がつかみづらい言葉ですから、逆にならないようにExcelでの使い方を理解しておきたいですよね。エクセルでの参照先/参照元の関係性は、参照の意味を英語でイメージするとわかりやすいです。今回は、エクセルで混乱が起こりやすい、参照先と参照元とは何かに関して、英語での意味を踏まえながらご紹介します。
参照先は英語で「Reference」といいます。単語を区切ると、『re-』が「~のもとへ」・『fer』が「運ぶ」の意味です。特定の方向へと進む矢印(⇒)を思い浮かべるとイメージしやすいかもしれません。「ご参照」を英語で表すと「please refer」となり、英語で「参照する」の意味にあたる言葉としては「refer to」などの用法もよく出てきます。toが向かう先を意味している点で、参照先とは『行きつくところ・到着点』だと捉えておくと良いでしょう。
一方で、参照元は英語で Reference sourceといいます。 sourceは単語を区切ると『sur-』が「上がる」状態を意味し、源の意味もあるように出所・源泉などのイメージです。つまり参照元とは、「出発地点」だと捉えておくと良いでしょう。以上から、簡単に言えば参照先と参照元とは、矢印を使って方向性を示せて、参照元⇒参照先と考えることができます。
参照先へ参照元から矢印が のイメージを持った状態でエクセルでの使い方を見ていきましょう。 今回Excelで利用するのはトレース機能です。『トレース』とは英語で「跡」の意味を持ち、traceの単語を区切ると『tra-』が引きずる状態から由来しています。エクセルでは、計算式などが他のセルに影響を受けていたとしても、単に数字や文字が入力されているようにしか見えません。そこで、トレース機能を使って、指定したセルがどの別のセルと関係性があるのかを見える形に変更するのです。
エクセルシートの上にある緑色のバーにある『数式』から「ワークシート分析」を探しましょう。今回使うのは、『参照元のトレース』『参照先のトレース』です。画像の例では、一番単純な形として、E6に5・F6に10を数値で入力し、G6には【=E6+F6】の数式を書き込みました。当然ですが、E6またはF6の数値を変えるとG6の数字も変化します。
G6を選択し、『参照元のトレース』『参照先のトレース』を押してみましょう。 『参照元のトレース』を選択すると、エクセル上に青い線と点が出てきます。一方で、 『参照先のトレース』を選択すると、図の右側のように、「アクティブセルを参照している数式はありません。参照先はトレースできません。」とエラーメッセージが生じました。
ここで冒頭の項目でご紹介した参照元と参照先のイメージを思い出してみましょう。 『参照元のトレース』を選択したとき、G6の計算式に含まれているE6とF6に印が付きました。つまりE6とF6がトレースされた(跡が付いた)わけです。したがって、Excelでは計算式に含まれている内容(今回の例G6=E6+F6であればE6とF6)を参照元と定義していることがわかります。先ほど触れたイメージと同じように、参照元のE6とF6からG6へと矢印が出ていますよね。 エクセルでの『参照元のトレース』 とは、指定したセルの計算式に含まれている内容の出所がどこなのかをはっきりさせている、と考えておくと良いでしょう。
このことを踏まえると、 『参照先のトレース』を選択してエラーが出た理由もわかるかもしれません。今度は、G6を基準にした参照先ですから、G6⇒参照先Xの関係が成り立ちます。つまり、エクセル上でG6を計算式として含んでいるセルがXなのですが、今回はG6=E6+F6以外に設定していないため、該当するXは存在しません。
そこで、「アクティブセルを参照している数式はありません。」と出たわけです。 もしH6=G6などと新たに計算式を設定した場合、XにH6が該当するためG6⇒H6の関係が成り立ち、G6を選択して『参照先のトレース』を押すとH6へと矢印が出てきます。
『参照元のトレース』 とは、計算式に含まれている内容の出所がどこなのかをはっきりさせている、参照元に跡を付ける、と考えておくと良いでしょう。また、参照先は矢印の先端にあるもので、他のセルの値が入力されている部分と押さえておけば混乱が少ないかもしれません。エクセルでのトレース機能に関しては、こちらの記事でも触れておりますので、併せて参考にしていただければ幸いです。
今回は、エクセルでしばしば混乱が起こりやすい、参照元と参照先に関してご紹介しました。日本語では判りづらい言葉ですが、参照元と参照先は英語での意味や、矢印を使って位置関係を整理するとどっちなのかがわかりやすいです。Excelでトレース機能を使う際には、「相手側の跡を特定する」とイメージしておけば混乱が少ないでしょう。最後までお読みいただきありがとうございました。