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[滋賀県]西武百貨店大津店『西武大津ショッピングセンター』写真展、閉店後の跡地は?

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滋賀県大津市のデパート、西武百貨店大津店が2020年8月31日をもって閉店。滋賀県初の百貨店として開業して44年、そごうや西武の大量閉店(2020)の店舗の一つになり、その歴史に幕を閉じることになりました。西武大津は自走式の駐車場を持つ郊外型の店舗の先駆け的な存在で、建物のデザインも非常に印象的でした。今回は、西武大津ショッピングセンター閉店にあたり、歴史と日常(西武大津のレストラン街など)を当方がこれまで撮影した写真とともにご紹介します。

◎大津市の西武百貨店は滋賀県初のデパート、特徴的な建物と駐車場


西武百貨店大津店は1976年06月18日(昭和51年)に滋賀県大津市の現在の地に開店しました。におの浜は琵琶湖を埋め立てた場所であり、当時は周辺にマンションが建ち始めた頃だったことが写真に残されています。発展中の街にできた西武大津店には開業初日は13万人が来店、当時の大津市の人口が228000人ほどであることを踏まえると、その注目度の高さがうかがえるでしょう。


↑【西武百貨店東側より】西武大津店の建物を設計したのは、エキスポタワーや渋谷のLOFT館などにも携わっている、菊竹清訓氏。当時百貨店での火災が相次いでおり、防災を意識した構造が求められる中で、逆手に取り、デザイン性の高い特徴的な建物を建築。湖岸道路に面する南側の両端にある非常階段はその象徴。


↓【非常階段を下から見上げると…】



西武百貨店大津店は、正式には「西武大津ショッピングセンター」と呼ばれています。これは、郊外型のショッピングモールとして営業されていたためです。大津市には駅周辺も含め他にデパートはなく、最寄りの膳所駅からも西武百貨店までは徒歩で10分ほどかかります。そのため、開業当初から自走式駐車場が設置されており、百貨店の中では非常に珍しいことだったそうです。都会の中心地で百貨店を営業するのとは違い、郊外型のショッピングモールの先駆け的な存在だったとも言えるでしょう。


↑【第一駐車場と出口。回遊しながら徐々に上昇するため、壁も斜め向きであり、坂道に車を停める形になる】

↓【第二駐車場は開店当初はなく、客足の伸びを受けて設置された。こちらも自走式の立体駐車場でM2.3.4.5.6階があるのが特徴】

◎そごうと西武のデパートで閉店した店舗(2020)


しかしながら、消費活動の変化や近隣に競合店が出店するなどの影響を受けたことで徐々に売上高は減少していきます。運営会社は2019年に、西武とそごうの閉店や規模を縮小する店舗を発表しました。そごうと西武のデパートで閉店が2020年08月31日(月)に決まった店舗は、西武大津店のほか、西武岡崎店・そごう西神店・そごう徳島店(徳島県唯一の百貨店)です。このうち岡崎店は東海唯一、大津店は関西唯一の西武の店舗でした。そごう徳島店は徳島唯一のデパートで、閉店により百貨店の店舗自体が消滅、また西武も関西以西および東海地方からは完全に姿を消すことになりました。


ちなみに、滋賀県に西武百貨店は他にはありません。大津市などから最も近くの西武百貨店は北陸唯一の西武福井店です。しかし、特急を利用しても2時間以上かかり、買い物を目的に出かけるには現実的ではないでしょう。東京の西武渋谷店までは3時間15分前後、西武百貨店池袋本店までは3時間25分前後と西武百貨店は滋賀のみならず関西の商圏からも消滅したことになります。

◎大津市膳所にある西武百貨店大津の閉店後の跡地には…


「滋賀県大津市の西武の跡地はマンションになるのでは」との噂は早くから立っていました。西武百貨店大津の閉店が決まったあと、跡地を購入したのがマンションを施工する会社だったためです。西武大津店の跡地をマンションではなく商業施設として利用との声もありました。しかしながら、西武大津閉店後は跡地に高層住宅の新築が予定されており[(仮称)大津市におの浜計画]、建物自体は取り壊す方針であることが判明しています。開店から44年、店内を見て回ると随所に傷みが見受けられ、改装も厳しい状況だったのかもしれません。


【各階南側にある広場、テラスの床や駐車場連絡通路などは長年の傷みがはっきりと】


雨漏りも…

◎滋賀県大津市の西武百貨店の思い出写真展


入学式など節目のお祝いに出かけた西武大津のレストラン街、参観日の帰りに買ってもらったケーキ・展覧会に足繁く通った日々・今はもういない祖父に連れられた出かけた記憶…、人生を象徴する場所の一つです。その感謝の思いも込めて、これまで撮影した写真をまとめて掲載します。

●大津西武百貨店閉店後の夜の様子

⬆️最寄りは膳所駅、当時は駅舎があった。中央部で光るのが西武の看板

⬆️本来は午後8時まで営業していたが、最近は短縮営業で午後7時30分までとなっている
(最終日は午後8時まで)

⬆️湖岸道路南側から、幕とともに、最後の数週間はライトアップがなされている

⬆️南東側から、この手前にはかつて別館テラスがあり、駐車場と同様にらせん状になっていた。

⬆️東側から非常階段を、これは日中に撮影する方がわかりやすいだろう

⬆️この時間になると何人もの方がこの場所から出てくる。本日もお疲れ様でした。

⬆️北東側から南向きに、第一駐車場が斜め向きなのもわかる

⬆️北東側から見たときに手前にある非常階段と連絡橋

⬆️夜の第二駐車場

⬆️北西側から第一駐車場と第二駐車場の連絡橋、19時半でも静けさが漂う

⬆️北西側から。様々な方向に取り付けられている階段が西武大津の魅力の一つ


⇅閉店後にレストラン街に行く方法は2通り、徒歩なら西入口から直進して左折するとあるエレベーターが便利、第一駐車場のエレベーターからも7階へアクセスできる


吹き抜けのイメージは琵琶湖、南湖から臨む。中央の通路が琵琶湖大橋だという。
元々は6階のロフトが入っている場所も飲食店街だった。



7階のみ延長営業する場合には、6階へのエスカレーターは封鎖される
かつては午後10時まで営業している店舗もあった




●西武大津店の朝の情景

⬆️西武大津ショッピングセンターは、JR琵琶湖線から見下ろす場所にある、膳所駅から少し大津寄りが撮影スポット

⬆️高架ができたJR膳所駅からもその姿ははっきりと

⬆️ときめき坂を徒歩5分ほど進むと見えてくる

⬆️南西側、朝は逆光を受けて鎮座する

⬆️西武大津にもまぶしい日差しが差し込む、中央の木の奥にはかつてはテラス(別館の店舗)が存在していた

⬆️南西側から北方向に、レストラン街も閉まっており、静かな朝のひととき

⬆️西武百貨店🏬と近江バス🚌、車を持たない顧客の貴重な足だったが、2000年代以降便数は減少し続けている

⬆️西武大津ショッピングセンター前のバス停🚏は西武管轄のものらしく、同じく8月31日にその役目を終えて撤去される

⬆️南側から東側へ、第二駐車場は外観が比較的に綺麗、塗り替えがあったような気もする。

⬆️第一駐車場スロープ、朝の静けさは鳥にとってもくつろぎの時間🕊

⬆️北東から南方向に、従業員通路があるこの場所は、もう少し後の時間には多くの方と車で賑わう

⬆️北東から西方向に、第一駐車場の出口と第二駐車場からの連絡橋、外付けの階段が年月の経過を物語る

●西武大津の2つの特徴的な駐車場


⬆️第一駐車場は四角のらせん状であり、自走式駐車場。頂上は狭い道路のみになっている。ほとんどの車は奥の第二駐車場と異なり斜め向きに駐車している

⬆️第一駐車場は店舗各階とつながっている

⬆️2階から第一駐車場に行ける階段、夜にレストラン街に行ける二つ目の方法

⬆️連絡通路から第一駐車場出口をのぞめむ、奥にはかつてサークルKがあった

⬆️バーゲンの日などには、第二駐車場にも行列ができる

⬆️第二駐車場入口


⬆️第二駐車場は手前が1階・2階・3階…、奥がM2階・M3階…となっており、徐々に上昇下降しながら進んでいく。それぞれのフロアにはIN(上側)とOUT(下側)の路が設けられている

⬆️車間幅確保のため、かつて1区画に3車だったのが2車に変わった

⬆️第二駐車場は側面が開いたつくりになっているので、雨水が入り込むこともしばしば

⬆️第二駐車場の手洗い場

●西武大津のケーキとカーサ

⬆️7階・6階のベンチに座って聴いていた11時レストラン街開店の音楽。手前は2020年3月をもって撤去された公衆電話、中央右の奥には当方が西武で最も行ったお店カーサが写っている(2019年8月に閉店)

⬆️【おまけ】西武大津でかつてよく買っていたケーキ。凍らせてもおいしい

◎西武大津のレストラン街をめぐる、串の坊・カフェなど【写真展】

●西武大津の串の坊


西武大津の串の坊は、特に土日になると当日の予約だけで満席になることもある人気店です。閉店セールで数万人の人出がある中、確実に入店するにはできるだけ早く西武大津7階のレストラン街にたどり着かなくてはなりません。8月29日、残り3日で行きたいレストランに全てに入れるか、一発勝負が始まりました。

⬆️土曜日になるとさすがに来店する方も多く、開店前から第二駐車場連絡口まで行列が

⬆️そこで、レストラン街へのアクセスルート(第一駐車場を回る)を使って、一番近い入口へと向かう。看板が近くで撮影できるスポットの一つ

⬆️当日朝10時から出る紙に予約をした人から順番に呼ばれる、定員になり次第昼夜問わず終了だが、11時過ぎにはこの貼り紙が出ることも

⬆️店内の様子、対策として置かれている板が、逆にプライベートを演出して過ごしやすい

⬆️おまかせコースは、165~550円のメニューがランダムで揚げられ、好きなタイミングでストップできる

⬆️カウンターでの対面式、こちらにもネットが吊るされている

⬆️おまかせコースは、デザートが選べるのも特長、本日のゼリーorシャーベット(写真は柚子のシャーベット)

●西武大津のカフェ『喫茶ミレー』に


小学校入学式の帰り、外食に出かけようとのことで行ったのが西武大津ショッピングセンターでした。その際に入ったカフェが喫茶ミレーです。創業当時から西武百貨店で営業し、西武大津ショッピングセンターとともに歩んだお店に、19年ぶりにお邪魔します。

⬆️喫茶ミレーは、西武大津ショッピングセンター開店からある飲食店の一つ
当時は同じく飲食店街だった6階にあり、リニューアル時に今の場所に移転した

⬆️冷えた取り皿よスプーンが運ばれてきた

⬆️横から、入口カウンターには持ち帰り用のケーキが置かれている

⬆️上から、大体のものが4つあるので、4人分のイメージなのだろうか

⬆️店の名前が描かれた看板と

⬆️ごちそうさまでした

⬆️ミレーは新たに店舗を移転する予定はないとのこと。
交渉の末限られた材料で作っていただいたこともあり、翌日の営業最終日にはこの模型もなく。いただいたパフェは、喫茶ミレーにとっても最後の一品だったのかもしれない。

●西武大津ショッピングセンター閉店、最後の1日

⬆️開店までの時間を利用して向かったのは琵琶湖の東岸、限られた場所から西武が見えそうだったからだ。

⬆️澄んだ朝の風景を徐々に近づけると…中央右にある青と白の建物が🏬

⬆️82倍のズームで撮影、マンションに囲まれているが、帰帆島の北側・その1-1.5kmほど北・守山琵琶湖大橋あたりからはその姿がのぞめる

⬆️マックスバリュ側から

⬆️朝の第一駐車場と第二駐車場

⬆️開店前、2階北側の入口へは、連絡通路を越えて第二駐車場にまで100m近い行列ができた

⬆️カウントダウンもついにあと1日に

⬆️多くのマスコミも取材に訪れた

⬆️1階正面玄関前にあるメッセージボード、当初は青を琵琶湖に、黄をその周りに貼っていたが、カードも足りなくなり遂には3つボードいずれからもはみ出した

⬆️西武大津は百貨店と駐車場が各階で直結しており、すぐに移動できる機能性がある

⬆️対称的とは限らない作りも魅力

⬆️猫展の先着プレゼントを狙って開店から行っていた時期によく見た景色、朝10時台にはミシガンが撮影できる

⬆️昼になるにつれて車も増え

⬆️第二駐車場の階段、年月の経過を物語る

⬆️最後にしておきたかった、第二駐車場と第一駐車場の移動、偶々満車で止まったので

⬆️2階北側の入口

⬆️西武大津ショッピングセンターでの最期の食事は『トリコロール』こちらも西武開店当初から存在して、閉店とともに姿を消す

⬆️本日のパスタセット、サラダとドリンクが付いてくる

⬆️『トリコロール』一番人気のワッフル

⬆️夏の終わりにぴったりのメニューで食べ納め

⬆️伝票も個性的

⬆️1階西の非常階段

⬆️2階テラス、44年の年月の長さがわかる

⬆️非常階段を下側から

⬆️非常階段は様々な姿を見せてくれる

⬆️3階テラスから見える1階正面玄関前と2階テラス

⬆️3階テラスから湖岸道路を

⬆️3階テラスから、4.5階は現在は封鎖されているのが残念

⬆️3階テラス東側、この時間でも満車になる人出

⬆️第一駐車場の出口から

⬆️遂に日も翳ってきました



⬆️第二駐車場も満車になりつつあります

⬆️テラスから見える最後の夕焼け

⬆️正面玄関前

⬆️南東側から

⬆️夕方:南側から

⬆️最後の掃除も終わりました

⬆️そして日が暮れて…

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