共通テストの得点調整とは?条件・仕組み・計算の方法・歴代の例をご紹介【2026年版】

共通テストの得点調整のやり方やルール、過去の事例を換算表で解説したアイキャッチ画像 京都大学・受験情報


共通テストの得点調整がどのようなもので、点数調整がいつ行われるのかが気になるかもしれません。やり方だけでなく過去の事例もわかっているとより安心して試験に臨めますよね。大学入試の共通テストの得点調整では、実施において一定の決まりや計算方法があるのが特徴です。今回は、2026の最新情報として、共通テストの得点調整がどのようなものであるかを、2023をはじめとする歴代の事例とともにご紹介します。


◎共通テストの得点調整とは何か?実施の条件


共通テストの得点調整とは、特定の科目で難易度の差が大きく生じた場合に、受験生間の不公平を小さくするために行われる補正措置です。点数が低かった科目を一律に上げるわけではなく、統計的な基準に基づいて実施されます。


共通テストにおける得点調整の条件は、科目・人数・平均点の3つの要素です。まず対象となるのは、同一教科内で複数の選択科目がある場合が挙げられます。基礎科目を除く理科(旧理科②)である『物理』『化学』『生物』『地学』、地理歴史の『地理総合,地理探究』『歴史総合,日本史探究』『歴史総合,世界史探究』、公民の『公共,倫理』『公共,政治・経済』です。なお、『地理総合,歴史総合,公共』は地理歴史・公民のいずれにも対象科目として含まれていません。

共通テストで得点調整の対象となる理科・地理歴史・公民の各科目一覧



次に、一定以上の受験者数がいることです。共通テストで得点調整が行われる人数は10000人以上であり、数千人台ではその科目は得点の修正の対象にはなりません。受験人数が少ない『地学』などは対象外になる年もある点を押さえておくと良いでしょう。そして3つ目として、これらの科目の中での平均点の差です。共通テストの平均点の差が20点以上になると、点数の補正が実施されます。

共通テストの得点調整が実施される条件である受験者数と平均点差の基準



◎共通テストの点数調整はいつ行われる?


共通テストの点数調整はいつあるのかも気になるかもしれません。調整されると点が変わるのでいつ確定するかも把握しておきたいですよね。共通テストの得点調整は、全ての年に行われているわけではなく、条件を満たさない場合は実施されない年も少なくありません。実施の有無は、本試験の1週間以内に大学入試センターから正式に発表されます。自己採点や解答速報の段階では確定しておらず、共通テストの得点調整/点数調整の有無や内容は、公式発表を落ち着いて待つことが重要です。なお、2026年は1月23日(金)に発表される予定になっています。



◎共通テストの得点調整の仕組み|分位点差縮小法とは


共通テストの得点調整はどのような仕組みで行われるのでしょうか。得点調整にあたっては、平均点の差が15点ほど(通常起こり得るとみなしている範囲)に縮める処理が行われます。用いられているのは『分位点差縮小法』(ぶんいてんさしゅくしょうほう)と呼ばれる方法で、0点と100点は固定し、間の点数を上へと動かしていくものです。分位点とは、得点を低い順から並べたときの位置を指します。たとえば上位10%、50%といったように、どの層の得点がどの程度かを見ることで、科目ごとの難易度差をより正確に把握できるのです。共通テストの得点調整において具体的にどのような計算をするかを、次の項目で見ていきましょう。


●分位点差縮小法による、共通テストの得点調整の計算の方法


共通テストの得点調整の方法は、以下の計算式を利用して考えていきます。
変更後の科目Aの平均点=〈科目Aの平均点+(対象科目の中での最高の平均点ー科目Aの平均点)×{1-15÷(対象科目の中での最高の平均点ー対象科目の中で最低の平均点)}〉
実際の調整では、計算式だけではなく、まず対象科目ごとに得点分布が分析され、複数の分位点における得点差を基準よりも小さくするように低い側の科目の得点を引き上げる形で補正が行われます。ただし、共通テストの受験生の点数が同じだけ上がるわけではなく、元の点数に応じて補正の幅が異なる点が特徴です。そのため、何点上がるかを事前に予測することは簡単ではなく、実際の補正内容は発表を確認する必要があります。



◎2023(令和5年)など、共通テストの点数調整/得点調整の例(理科/化学/生物)


共通テストの平均点が大きく開いた2023などは得点調整が実施されています。歴代にどんな例があるのかを見ていきましょう。


●共通テスト2023における生物の得点調整/点数調整


共通テスト2023では、生物や化学などの理科の科目で得点調整が行われました。点数調整になった背景は、中間発表の段階で科目間における平均点の差が20点を上回ることが確実になったことが挙げられます。共通テストの平均点(2023)は物理63.39点・化学48.56点・生物39.74点と得点調整の基準値を超えた差23.65点になっていました。そこで、化学54.01点(+5.45点)・生物48.46点(+8.72点)で平均点差を点数調整しています。この2023の共通テストでの得点調整によって、理科の科目の点数は大きく変わり、生物は最大12点・化学は最大7点上昇した受験生もいました。共通テストの生物などの得点調整の換算表(2023):何点上がるのかは以下の通りです。

2023年共通テストにおける理科(物理・化学・生物)の得点調整換算表



●2021共通テストでの理科(化学)などの得点調整


共通テストの理科で逆に生物を基準に化学などの得点調整が行われたのが2021年です。点数調整された背景としては、中間発表の段階で生物の平均点73.14点に対して、化学の平均点が52.80点と20点ほど開いていたためです。そこで、物理は最大で6点・化学は最大で9点の引き上げが見られています。

2021年共通テストで実施された理科(物理・化学・生物)の得点調整換算表



また、大学入学共通テスト初年度だったこの年は公民でも得点調整が行われており、点数調整が2科目以上で同時に行われたのはセンター試験時代も含めて史上初のことです。倫理を固定して得点調整があり、現代社会では40点台から60点台にかけて最大で8点・政治経済は40点台後半から60点台前半にかけて最大で9点の上昇が見られました。

2021年共通テストにおける公民(倫理・政治経済・現代社会)の得点調整換算表



大学入試センター試験の時代に共通テストと同様の枠組みで点数調整/得点調整が行われたことがあります。2015年は教育課程に変更があった最初の年で、移行措置として旧課程と新課程の2種類の試験が行われていました。新課程の生物(48.39)と旧課程の物理Ⅰ(69.93)の差が20点を超え、得点調整として以下のように平均点が引き上げられています(ちなみに筆者はこの年に化学Ⅰと生物Ⅰを受験しており、多少点数が上昇しました)。新課程物理:61.64⇒64.29・化学:59.20⇒62.49・生物:48.39⇒54.98・物理Ⅰはそのまま・旧課程化学Ⅰ:65.13⇒66.67・生物Ⅰ:56.96⇒60.88

2015年センター試験で実施された理科(物理・化学・生物)の得点調整換算表



●共通テストの世界史で得点調整がされたことはある?


共通テストにおいて、世界史で得点調整が実施された例はこれまで一度もありません。世界史のみならず比較対象の日本史も地理も受験者数が多く、得点分布が比較的安定していることが理由の一つと考えられます。一方で、センター試験時代には、1998年に世界史を含む社会科目で得点調整が行われました。このときには日本史B(56.33)と地理B(77.23)の平均点の差が20.90点で、世界史B:61.03⇒65.50・日本史B:56.33⇒62.18になるように、受験者それぞれの得点が修正されています。



◎まとめ


今回は、共通テストの得点調整のやり方や過去にどんな事例があったかを計算方法などとともにご紹介しました。得点調整は、科目間の難易度差が大きくなった場合にのみ実施され、すべての年や科目で行われるわけではありません。発表されるまではどの程度点数が変わるのかもわかりませんので、落ち着いて待って確認することが大切です。最後までお読みいただきありがとうございました。


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