ドント式はどこまで割る?計算方法や割り切れない場合を例題・エクセルの練習問題で

ドント式はどこまで割るのかを図で解説した比例代表制の計算イメージ 学び 小学校・中学校・高校・大学 受験情報


ドント方式はどこまで割るのか、途中で割り切れない数が出たらどうするのかなど計算のやり方がよく分からないと感じるかもしれません。衆議院選挙や参議院選挙の比例代表制で使われると聞いても、実際に数字を並べた場合にどう計算すべきなのかも気になりますよね。ドント式は、計算のやり方や例外の処理方法を押さえておくことで正しい値を求めることが可能です。今回は、ドント式の考え方や計算方法を、実際の例題を交えながらわかりやすくご紹介します。

◎ドント式はどこまで割るのが正解?|計算方法・やり方を解説


ドント式はどこまで割るべきかが気になるかもしれません。結論としては、「必要な議席数が確定するまで」割ります。あらかじめどこまでと決まっているわけではなく、議席を配分し終えた時点で計算は終了です。ドント方式のやり方はシンプルで、各政党の得票数を1、2、3、4…と順に割り、その商を大きい順に並べて議席を割り当てていきます。商が小さくなると、そもそも議席争いに関係しないため、最初から大量に割り算をする必要はありません。目安としては、配分する議席数と同じ数か少し多い程度まで割っておけば十分です。

ドント式の計算方法を得票数を割り算する流れで示した図



◎ドント式で割り切れない場合の考え方


ドント式で割り切れない場合の対処法についても気になるかもしれません。2.3.4.5…と順に割っていくため、割り算の結果が割り切れない数になることがほとんどです。しかしながら、割り切れなくても問題はありません。ドント式の目的は、商の正確な値を求めることではなく、大小を比較することです。そのため、小数点以下が続いていても、そのままの数値で比べます。ただ、紙で計算する場合やエクセルを使う場合は何十桁も記載すると逆に分かり辛いため、小数第3位など表示桁数をそろえておくと見やすくなるでしょう。(桁数を合わせる方法はこちら


また、まれに商が同じ値になるケースもあります。この場合、実際の選挙では公職選挙法第95条2項2号により、「選挙会において選挙長がくじでどちらに議席が入るかを決める」と定めています。試験や練習問題では、同数が出ない設定になっているか、同数の場合はどうするかを問われることが多いので、割り切れないこと自体は異常ではないと認識しておきましょう。



◎ドント式(ドント方式)をエクセルで計算する方法


ドント式は、エクセルを使うと流れが視覚的に確認できます。ドント方式をエクセルで行う方法としては、まず、
1⃣1行目に政党名を横に並べ、
2⃣2行目にそれぞれの得票数を入力しましょう。
3⃣その下の行に「得票数 ÷ 1」、
4⃣次の行に「得票数 ÷ 2」、
5⃣さらに「得票数 ÷ 3」
というように式を入力していきます。このとき、得票数のセルは絶対参照にしておくと、数式を横にコピーしても崩れません。(絶対参照がどのようなものなのかはこちら

ドント式はどこまで割るのかをエクセルで示した計算例




割り算が終わったら、すべての商を見渡し、値が大きいものから順に番号を振っていきます。議席数分だけ番号を付けたところで終了です。エクセルでは色を付けることもできますので、順番に割り振っていき、途中でどの政党が何議席目を取ったのかを確認する一助となるでしょう。

ドント式で商の大きい順に色分けして議席を配分する図



◎ドント式の練習問題(中学・公民)


ドント式の練習問題として、中学の公民でもよく出てくる例題を通して流れを確認してみましょう。

[15議席を配分する比例区で、次の得票数がありました。A党:24436票・B党:32960票・C党:10831票・D党:15179票・E党:54161票・F党:64928票です。各党の獲得議席はそれぞれいくつでしょうか?]

ドント式の練習問題として6つの政党と得票数を示した表



この問題でも、やることは同じです。各党の得票数を1、2、3…と割り、その商を大きい順に並べていきましょう。たとえば、F党は得票数が多いため、3で割った商でも他党の1で割った商より大きくなる場合があります。このとき、F党の3議席目が、他党の1議席目より優先される点が重要です。

ドント式の練習問題で得票数を順に割り算している様子



この操作を繰り返し、15番目まで埋まったところで配分は終了します。結果として、A党:2議席・B党:3議席・C党:0議席・D党:1議席・E党:4議席・F党:5議席となりました。途中式を追いながら今はどの商を比べているのかを意識すると、ドント式の計算は一気にわかりやすくなります。

ドント式の練習問題で商の大きい順に色分けして議席を決める図



◎補足:ドント式のメリット・他方式との違い


ドント式のメリットは、得票数に応じて比較的バランスよく議席が配分される点です。小選挙区制では、2位以下の票が議席に反映されません(死票となります)が、比例代表のドント式では一定の得票があれば議席獲得の可能性があります。
一方、サンラグ方式という似た方法もあります。こちらは割る数が1、3、5…と奇数のみで、ドント式よりも小さな政党が議席を得やすい仕組みです。また、アダムズ方式は、人口に応じて議席数を割り当てる際に使われる方法で、用途や考え方が異なります。

サンラグ式の計算方法をドント式と比較して示した図



また、ドント方式には計算上は正しくても、実務上は調整が入る例外がある点も押さえておくと良いでしょう。算出された議席数よりも、政党の名簿登載者数が少ない場合です。このような名簿不足が起こる背景としては、特定の政党が想定以上に得票を集め、比例代表で多くの議席を獲得したケースが挙げられます。また、小選挙区と比例代表の重複立候補制度において、惜敗率の要件を満たす候補者が少なく、比例代表で復活当選できる人数が減少することも原因の一つです。

ドント式で獲得議席数より名簿登載者が少ない場合の考え方


たとえば、ある政党がドント式の計算で5議席を獲得していたとしても、比例代表名簿に4人しか登載されていなければ、5人目の当選者を出すことができません。この場合、その政党は名簿に記載された人数までしか当選者を出せず、余った議席は他の政党へと繰り上げて配分されます。この繰り上げは、ドント式の計算をやり直すという意味ではなく、実際に議席に就く人がいないため、次点の商を持つ政党に議席が回るという扱いです。試験や練習問題ではあまり扱われませんが、実際の選挙では起こり得る重要な例外なので、計算結果が必ずそのまま当選人数になるとは限らない点は押さえておきましょう。



◎まとめ


今回は、ドント式の考え方や計算方法を、実際の例題を交えながらご紹介しました。ドント式は、割り算の回数や小数点の処理に迷いやすいものの、議席が確定するまで商の大小を比べるという視点を持つことで、仕組みが一気に理解しやすくなります。実際の選挙では名簿不足による繰り上げといった例外もありますが、まずは基本の考え方を押さえておきましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。


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