次亜塩素酸とは?亜塩素酸との違いや次亜塩素酸水の酸性の種類、塩素水の作り方【化学】


厚生労働省などが次亜塩素酸水もアルコール消毒液の代わりとして有効と発表しました。次亜塩素酸とは何かが気になるかもしれません。塩素水の手作りができるなら作り方も知っておきたいですよね。今回は、次亜塩素酸とは何かを、亜塩素酸との違いや次亜塩素酸水の酸性の種類、塩素水の作り方を含めてご紹介します。



◎次亜塩素酸水にまつわる厚生労働省・経済産業省の発表の内容は?


これまでアルコール(エタノール)がウイルス対策の消毒液に有効だと言われていましたが、不足気味なことも踏まえて、代替となる消毒方法の開発が進められていました。そこで登場したのが次亜塩素酸水です。経済産業省と、要請を受けて文献を調査していた独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が、界面活性剤・電気分解法で生成した次亜塩素酸水・第4級アンモニウム塩を、有効な消毒方法として選定しました。今後は、NITEが有効性の評価を検証するとのことです。


●純石けん分(界面活性剤)・第4級アンモニウム塩(カチオン)とは?


界面活性剤(純石けん分)は、石鹸の成分でありキッチンの皿洗いで利用する洗剤などに含まれています。この中でも濃度が0.24%以上の脂肪酸カリウムと0.22%以上の脂肪酸ナトリウムが有効とされました。また、第4級アンモニウム塩(カチオン)はウイルスの細胞膜を破壊するのが機能の一つです。衣類の抗菌剤や柔軟剤、あるいはシャンプーの帯電防止剤などに含まれています。


◎次亜塩素酸・塩素水(次亜塩素酸水)とは何?厚生労働省による定義について



●次亜塩素酸とは?化学式・組成式・電子式(ルイス構造式)や平衡反応など


次亜塩素酸とは、化学式・組成式が『HClO』で表される、塩素のオキソ酸の一つです。電子式の一つであるルイス構造式で記すと、電気的には余りがないものの、塩素の酸化数が1などの点で不安定な性質を持ちます。Clは本来は酸化数が-1であり、電子を強く求めることから他の物質からe⁻を引き抜きやすく、その課程で殺菌・消臭の性能を発揮するのです。生成方法しては、塩素と水を反応させることがあり、『Cl₂+H₂O⇔HClO+HCl』と表記されます。基本的に『H⁺』の存在下つまり酸性水分子およびCl⁻と平衡状態を作るのです。



○水道やプールに使われている塩素とは?気になる濃度について


塩素は原子番号17の元素で『Cl』と表記され、周期表で第17族に含まれています。ここにはフッ素『F』臭素『Br』ヨウ素『I』などの元素も属しており、アルカリ金属元素やアルカリ度類金属元素と典型的な塩を作ることからハロゲンと呼ばれるようになりました。その塩素は分子『Cl₂』になることで刺激臭があり、水道水の消毒やプールにも使われているのをご存知かもしれません。ちなみに、家庭へ供給する水道水の塩素濃度は0.1mg/L~0.4mg/Lくらいにすることが定められており、プールの塩素濃度は0.4mg/L~1.0mg/Lくらいになっています。



●塩素水とも呼ばれている、次亜塩素酸水とは?


厚生労働省などによりますと、次亜塩素酸水とは、塩酸『HCl』や食塩の主成分である塩化ナトリウム『NaCl』を電気分解することで生成する、次亜塩素酸を主成分とする水溶液です。塩素水とも呼ばれ、酸化作用によってウイルスの細胞膜を破壊することが確認されています。有機物に弱いので、消毒の際にはものの汚れを予め落としておきましょう。拭き掃除の際には、次亜塩素酸水を有効塩素濃度80ppm以上にして浸すように使うのが良く、ドアノブ・机の殺菌消毒におすすめとのことです。また、次亜塩素酸水は、厚生労働省が定める食品衛生法により食品添加物の一つとしても認定されています。

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◎次亜塩素酸・次亜塩素酸水は酸性?その種類やpHについて


商品名が次亜塩素酸水として販売されているものには、強酸性・弱酸性・微酸性の三つの種類があります。強酸性次亜塩素酸水はpHが2.2~2.7程度、弱酸性次亜塩素酸水のpHは2.7~5.0ほど、微酸性次亜塩素酸水はpHが5.0~6.5程度です。先程、次亜塩素酸の生成方法として、塩素と水を反応させること『Cl₂+H₂O⇔HClO+HCl』があると記載しました。この平衡反応が溶液のpHが高い(より中性側)だと右に移動します。逆にpHが低いつまり強酸になると塩素ガスが発生しやすいのです。あまりにも酸性が強い次亜塩素酸水は危険なため、食品添加物としては認められていません。また、間違っても酸性の洗剤などとは混ぜないようにしましょう。他にも次亜塩素酸は、食品や機器類の消毒や手洗い石鹸などに用いられることがあります。



◎次亜塩素酸と亜塩素酸と次亜塩素酸ナトリウムの違いは?



●次亜塩素酸と亜塩素酸の違いについて、両者の構造や化学式は?


次亜塩素酸の話に関連して、亜塩素酸があります。この両者にどのような違いがあるのかが気になるかもしれません。次亜塩素酸は先程化学式HClOの物質だとご紹介しました。一方で、亜塩素酸は化学式がHClO₂の化合物です。塩素原子にヒドロキシ基(OH⁻)と酸素原子が結合しており、以下の通りに表されます。常温では非常に不安定な性質があり。室温条件では二酸化塩素と次亜塩素酸に分解されるため、二酸化塩素の生産の原料です。



●次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの違いについて、両者の酸性塩基性から


次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムもまた違うものですから、注意が必要です。次亜塩素酸水は、pHが7より小さいつまり酸性だと先程記載しました。塩化ナトリウム水溶液を電気分解したものとして生成されています。一方で、次亜塩素酸ナトリウムは塩素系漂白剤を薄めることで生じる、強アルカリ性の溶液です(pH10や12などと書かれているかもしれません)。つまり、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムはpHつまり酸性塩基性が全く違います。両者ともドアノブ・手すり・机など身の回りの殺菌消毒に有効とは言われていますが、同じものではない点は押さえておきましょう。

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◎次亜塩素酸は手作りできる?塩素水の作り方について


ここまで次亜塩素酸水に関してご紹介してきましたが、塩素水が手作りできるのかも気になるかもしれません。結論から申し上げますと、次亜塩素酸水を手作りするのはお勧めしません。電気分解によって生成するのが作り方で、使われる装置は業者向けの高額なものだからです。電気分解で次亜塩素酸水を生成する際には、電解次亜水とも呼ばれる次亜塩素酸ナトリウムも一緒に生じるため、仕切りを設けて操作を行う必要があります。また、ハイターなどを薄めることを塩素水の作り方としているところもありますが、これは次亜塩素酸ナトリウムの作り方です。次亜塩素酸と次亜塩素酸ナトリウムはまた違うものですから、塩素水(次亜塩素酸)の作り方だと勘違いしないようにしましょう。なお、名前こそ似ていますが、次亜塩素酸ナトリウムから次亜塩素酸はできません。



●次亜塩素酸ナトリウム液の作り方、希釈(薄める)目安は?


次亜塩素酸ナトリウム液は、濃度0.05%程度に希釈する(薄める)のがポイントです。次亜塩素酸ナトリウムを使った商品を提供している業者によって目安は変わりますが、基本的に水1Lに対して10mlを加えるのが良いと言われています。商品には計量キャップが付属していることが多いですが、ない場合にはペットボトルのキャップを使うと良いでしょう。大体5mlですから、水1Lほどで薄めるのであれば2杯分注ぎます。

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◎まとめ


今回は、次亜塩素酸とは何かを、亜塩素酸との違いや次亜塩素酸水の酸性の種類、塩素水の作り方を含めてご紹介しました。次亜塩素酸は塩素・水素・酸素から構成される化合物であり、それを主成分とする次亜塩素酸水が経済産業省によって殺菌消毒剤の一つに認定されています。また、次亜塩素酸ナトリウムは別の化合物ですから、次亜塩素酸との違いも押さえておきましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。

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